久遠の絆

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反政府組織『アトゥマ』。


これが、シャルティやイーファンが率いる組織の名である。


それは、ガルーダが建国される前からこの地に住んでいた土着の民や、同盟発足後、その体制に反感を持った者が集う組織だった。


特に、シャルティの理想に同調した者が多い。


彼が説いた理想とは、いわゆる民主主義。


軍事政権でもなく、帝政でもない。


民が民のために行う政治。


それがシャルティの目指す所だった。


しかし『アトゥマ』を知る者はまだそう多くはない。


政治の中枢にある者はもちろん、一般の者でも知らない者の方が多かった。


砂漠の岩山に、身を隠すようにして存在する地下組織。


それが今の『アトゥマ』の現状であった。








この組織において、全体の指揮を取るのがシャルティなら、後方を固めるのがイーファン。


そのイーファンは不思議な力を持つ男だった。


それは、遠く離れた場所の様子を知ることのできる力。


シャルティがいずこかで知り合い連れて来た彼は、瞬く間に組織の上層に位置するようになった。


彼が加わったことで、より同盟の様子や帝国との戦闘の様子が良く分かるようになったのだ。


それまでは要所要所に送り込んだ偵察からの報告を待つしかなかったのが、短時間で正確に把握できるようになった。


少数精鋭でやっている『アトゥマ』としては、これ程有り難いことはなかった。


また、イーファンがシャルティを組織の長として立て、自分は一歩引いた立場に徹していることも、若者たちには好意的に受け入れられたのだろう。