「わざわざ連れて来たからには、何か意味があるんでしょう?」
それでもカイルは何も言わなかった。
ただ「詳しいことを知らない」と言うばかりで。
「そんなの嘘よ。だってカイルはこの世界で一番偉い人なんでしょう?それなのに知らないわけないじゃない」
そう言われたカイルは薄い笑みを浮かべた。
「蘭さま、私は皇帝に仕える一介の軍人に過ぎません。私の役目はあなたをお守りすること。それ以上はないのですよ」
心なし彼の態度が余所余所しくなっているのを感じた。
「カイル?」
「そろそろ行かなければなりません。次はいつ来られるかお約束はできませんが、私が来ることができないときはニアスをご機嫌伺いに寄越しましょう」
「カイル、あのわたしの言ったことで気に触ったことがあるなら……」
「とんでもありません。私の力不足で蘭さまの不安なお気持ちを取り除いて差し上げられず、ただ申し訳なく思うばかりです。どうぞお許しください」
深々と頭を下げる彼に、蘭は激しく頭を振った。
「謝って欲しいんじゃないよ。わたしをいつも励ましてくれるカイルには本当に感謝してるんだから」
カイルはわたしがこの世界に来た意味をおそらく知っている。
きっと教えてくれないのにも意味があるんだよね。
いつか時が来れば教えてくれるよね。
それを口には出さなかったけれど、蘭は願いを込めてカイルを見つめた。
「蘭さまは本当にお優しくていらっしゃる」
ふわりと笑んだカイルには、またいつものほっとするような温かさが戻っていた。
それでもカイルは何も言わなかった。
ただ「詳しいことを知らない」と言うばかりで。
「そんなの嘘よ。だってカイルはこの世界で一番偉い人なんでしょう?それなのに知らないわけないじゃない」
そう言われたカイルは薄い笑みを浮かべた。
「蘭さま、私は皇帝に仕える一介の軍人に過ぎません。私の役目はあなたをお守りすること。それ以上はないのですよ」
心なし彼の態度が余所余所しくなっているのを感じた。
「カイル?」
「そろそろ行かなければなりません。次はいつ来られるかお約束はできませんが、私が来ることができないときはニアスをご機嫌伺いに寄越しましょう」
「カイル、あのわたしの言ったことで気に触ったことがあるなら……」
「とんでもありません。私の力不足で蘭さまの不安なお気持ちを取り除いて差し上げられず、ただ申し訳なく思うばかりです。どうぞお許しください」
深々と頭を下げる彼に、蘭は激しく頭を振った。
「謝って欲しいんじゃないよ。わたしをいつも励ましてくれるカイルには本当に感謝してるんだから」
カイルはわたしがこの世界に来た意味をおそらく知っている。
きっと教えてくれないのにも意味があるんだよね。
いつか時が来れば教えてくれるよね。
それを口には出さなかったけれど、蘭は願いを込めてカイルを見つめた。
「蘭さまは本当にお優しくていらっしゃる」
ふわりと笑んだカイルには、またいつものほっとするような温かさが戻っていた。


