久遠の絆

「邪魔?」


「はい。いつも直前になって、霞のように得体の知れない物に阻まれてしまうのです」


「邪魔する奴ねえ」


頭の後ろで両手を組むと、シャルティは考え込むように口を噤んだ。


「……あいつ、って訳じゃないんだろう?」


ややして、そう問うたシャルティに、イーファンはきっぱりと首を横に振った。


「彼なら、彼の気配なら、私はどれだけ遠くに離れていても感じることが出来ます。彼ではありません」


「だよなあ……」


だとすれば、いったい……。


「もう、一刻の猶予もないのです」


「……ああ」


「私も赴くことが出来れば」


「イーファン、それは言わない約束だ」


「しかし、シャルティ」


「お前はこの地を離れることができない。お前自身が、初めにそう言ったんだ」


イーファンは珍しく悔しそうな表情を浮かべ唇を噛んだ。


「焦るんじゃない。俺が絶対見つけるから」


そんなイーファンを励ますように言うと、シャルティは「よいしょ」と立ち上がった。


「じゃあ、また行って来る」


そう言って部屋を出て行こうとしたシャルティに、イーファンが声を掛けた。


「シャルティ」


「ん?」


「お願いします」


「ああ、任せとけ」


親友の思いを全て受け止め、シャルティは再び洞穴を出て行った。