久遠の絆

「え?」


それがちょうど記憶の抜け落ちている部分なのか、カイルにはどうしても思い出せなかった。


「高密度粒子砲。奴らの最新兵器だが、それが発射される前に、俺があんたを抱えて艦の外に飛び出したんだよ。本当に間一髪だった」


「……」


では記憶がなくなる前に見た眩しい光というのは、高密度粒子砲だったのだろうか。


「ああ、そうだろうな。奴ら、ためらいもなく、とんでもねえ兵器を使いやがる」


「とんでもない……」


「思い出せないのか?」


「……その部分だけ」


「そうか」


グレン中将は、カイルを抱えて艦を飛び出したあと、そのままジャングルの高い木のてっぺんに落ち、枝に引っかかりながら地面まで落下したのだと話した。


「それで、まあ、お前さんがそんな怪我を負っちまったんだが」


済まなさそうに頭を掻く中将に、カイルは礼を述べた。


もし、彼の一瞬の機転がなければ、今自分はここにはいなかったのだと。


切実にそう思う。


「中将は、お怪我は?」


「俺はあ、あれだ」


かすり傷ひとつ負っていないのだという。


彼は外見だけでなく、肉体も熊並みに強靭にできているらしい。


「私ももっと鍛えないといけませんね」


カイルは軽口とも真面目とも取れることを言ったあと、口をつぐんでしまった。


「カイルっち?」


戸惑ったように声を掛ける中将に、カイルは顔を背けながらくぐもった声で応じた。


「私はこうして助けて頂けましたが、多くの兵の命が失われたのですね……」


「……」


「中将」


「あん?」