久遠の絆

「今まで人格が変わった際に失った記憶を、すべて返してやる」


混濁する意識の向こうに、そう言うヘラルドの声を聞いた。


と同時に、さらに頭痛が激しくなった。


「う……うぅ……」


うめき声を上げるシドを見ながら、ヘラルドは楽しそうに笑っていた。








鍵の掛かった箱が開くように、記憶の扉が開かれた。


帝国にいた頃のこと


ヘラルドと初めて出会った時のこと


帝国からの失踪


ガルーダの建国


戦争


そして


ひとりの少女との出会い





大切な想い


守りたいという気持ち


それを失ったあとに自ら犯した裏切り


最後に


先程の大量殺人ーーー







すべての記憶が、シドの中へと戻っていった。


(苦しい……誰か……助けて……)


シドは無意識のうちに手を宙へと伸ばしていた。




「蘭…………」