久遠の絆

「ガルーダでいいんじゃないか?」


「私もそう思いますが、他の同盟国の意見も聞いてみますか?」


「必要ない。宣言文書にそのまま盛り込め」


「かしこまりました。では統治国家の国名はガルーダ、ということで。それから……総帥は総帥のままでよいか、それとも皇帝として即位するか。また、その最高指導者を誰にするか……」


「ん?ちょっと待て、ヘラルド」


「はい」


「最高指導者を誰にするかなんて、決まってるじゃないか」


「そう、でしょうか?」


「俺、だろう?」


「さて……それはどうでしょう」


「どういうことだ?!」


シドは勢いよく立ち上がり、その反動で重たい椅子が後ろに倒れた。


「どういうことも何も、こういうことですが?」


ヘラルドはそれまでの忠臣の姿を一変させ、不適に笑っている。


そして、おもむろに銃を取り出し、言葉無く立ちすくむシドに銃口を向けた。


「あなたは確かに素晴らしいカリスマ性をお持ちです。これまで、そのカリスマ性がどれだけ役に立ったか。ガルーダを建国したときも、同盟の諸国を取りまとめる時も、そして、何よりあなたは兵たちの信頼を十二分に得ている。あなたのような指導者は他になかったでしょう。ですが、それもここまで」


「クー、デターか?」


シドがそう言うのと同時に、銃を持った兵士たちが部屋に走りこんできて、ヘラルドと同じように銃口をシドに向けた。


「クーデター。確かに、後の歴史家にはそう評せられるかもしれません。ですが、私にとってはすべて予定していたことです。あなたにはここで引いて頂くと。
生憎私にはあなたのようなカリスマ性は皆無です。ですから、ここまではあなたに牽引して頂こうと思いまして。おかげで予定通り事が運び、本当に感謝申し上げます」


丁寧な言葉遣いは変わらないものの、そこにはどこかシドを馬鹿にした響きがあった。


「私がこの世界の新たな統治者となる。あなたにはここで消えて頂きます」


「へ……ラルド……」


「お怒りになるのはよく分かりますが……シド・フォーン、お前はもう、用済みなんだよっ」


ヘラルドはそれまでの口調も声音も一変させた。