久遠の絆

◇◇◇






『同盟は通信をすべて拒否する構えのようです』


オペレーターの声がむなしく響く。


カイルはそれを歯噛みする思いで聞いていた。


前線に来て、何度となくシド・フォーンとの通信を試みたが、すべて無駄に終わってしまった。


「話し合う気はないということか……」


こうしている間にも帝国の艦船はどんどん数を減らしている。


手をこまねいている場合ではなかった。


しかし、アザゼルとて、数に限りがある。


カイルは渋面のまま、拳を握り締めた。


同盟軍はいつの間に、これほどの開発に成功したのだろうと思う。


帝国から持ち出した設計書だけでは、とてもこれだけの武力を持つことは出来なかっただろう。


それなのに砲撃の力といい、艦船の外壁の素材の強固さといい、今までの物よりもずっと進歩している。


(どこで手に入れた?)




ガクンと母艦のバランスが崩れる。




『左舷に砲撃。損傷軽し!』




「くっ……」


このままでは帝国軍全滅もありえた。


「一極集中だ。

全艦右翼に砲撃集中!撃てっ!!」


カイルの命を受け、帝国軍艦隊が一斉に同盟軍の右翼に向け砲撃を開始する。


雨のように降り注ぐ放火に、さしもの同盟軍艦船も耐えられないと思われた。


しかし。


砲撃が一旦中止されて見ると、同盟軍の艦船はかすり傷を負った程度で、平然と空中に停止していた。