久遠の絆

◇◇◇





カイルが王宮から本営まで戻って来た時だった。


ハウレン少将が息せき切って、前方から走ってくる。


あんなに慌てた少将は初めてだ。


「どうした、少将?」


カイルが声を掛けるか掛けないかで、ハウレン少将の上ずった声が廊下に響いた。





「同盟の艦隊が再び首都に向かって進軍を始めたと!」




「な……に……?」


カイルの表情が歪んだ。


秀麗な顔に、見たこともないような怒気が加わる。


「停戦協定を何だと思っている?」


「閣下……」


「グレン中将から連絡は?」


「は、先程。再び交戦が開始されたと」


「……」


カイルは足早に司令官室へと向かった。


そして、すぐに前線と通信を繋げるように指示を出す。


ややして、グレン中将の熊顔が画面いっぱいに映し出された。


「よう、カイルっち」


「挨拶は無用です。中将。現在の状況は?」


カイルのいつになく突き放した態度に、中将は「あ、怒ってるんだ」と小声で呟いた。


「どうもこうもねえよ。いきなり協定で決められた停止線を越えてきたと思ったら、攻撃開始よ。こっちは何の準備もしてなかったし、大慌てさ」


「同盟側から何か連絡は?」


「ない」