久遠の絆

その笑顔のまま、カイルの告白を待つアニーシャ。


困ったように溜め息をつくカイル。


沈黙が続いた。


そのうち痺れを切らしたようにアニーシャが「早く言っちゃえ」と促し始めた。


それを受けて、つと顔を上げたカイル。


期待に満ちたアニーシャの視線とぶつかった。


「もし、申し上げた場合、殿下は正式に私との婚約を破棄されるおつもりですか?」


「それは答え如何よ」


「……」


やはり彼女のほうが上手らしい。


「分かりました。では申し上げます」


「うんうん」


カイルは深く息を吸い込んだ。






「私の想い人は……」






そう話し出した瞬間、カイルの脳裏にさまざまな情景が一気に浮かんでは消えた。




彼女の笑顔。


彼女の仕草。


彼女の口調。




そのどれもを、今も鮮明に思い出すことができる。


(ああ、私はまだ……)


胸の中に押し隠してもなお、彼女のことを忘れることはできないのだ。





「異世界から来た少女です」