久遠の絆

「本当に?」


「ええ」


「なら、この話はここで終わりね」


アニーシャは拗ねたように言って、そっぽを向いてしまった。


「アニーシャさま」


困ったように首を傾げるカイル。


軍人だけに、この年頃の女の子の扱いは苦手だった。


すっかりアニーシャのペースに巻き込まれている。


「あなたが本当のことを言わないなら、わたくしも言わないわよ」


よそを向いたままでそう言うアニーシャに、

「どのような答えをお望みなのですか?」

ともてあまし気味に問い返す。


「だから、あなたの本当の気持ちよ」


「……」


「元帥としてでもなく、わたくしの婚約者としてでもなく、カイル・アルファラ自身の気持ちよ」


「……そう、仰られましても」


「もう、カイル!」


いきなり人差し指を突きつけられて戸惑うカイル。


「本当のこと言わなかったら、この話は終わりよって言ったでしょっ!」


びしっと指差すアニーシャに面食らったカイル。


珍しく戸惑いの表情を浮かべている。


「あなたの心に誰かいるって、わたくし分かってるんだから。素直に言ったらいいだけなのよ」


「……分かりました……」


とうとう根負けしたようにカイルは呟いた。


「では皇女殿下だけに申し上げましょう」


アニーシャは我が意を得たりと満面の笑みとなった。