蘭が反論しようと口を開けかけると、ヘラルドは立ち上がった。
そしてゆっくりとした足取りで蘭の方へ近付いてくる。
かわりに蘭はじりじりと後退し、ついには壁に背がぶつかった。
「怖いか?私が」
ヘラルドは楽しそうにそう言った。
「くく……そうか、私が怖いか。」
蘭の目の前まで来たヘラルドは、いきなり彼女の髪を掴み、顔を上向かせた。
容赦なく髪を引っ張られる痛みに、蘭は小さな声を上げた。
「ならば、もっと恐怖を植え付けてやろう。お前が負の感情に染まれば染まるほど、石もそちらに傾く」
「え……それはどういう意味……」
「黙れ、小娘」
静かな声と裏腹に、ヘラルドの行動は残虐なものだった。
蘭の髪を掴んだまま、振りかぶり、そのまま顔面を壁に打ち付けたのだ。
ゴンという鈍い音と共に、蘭は声もなく痛みに悶えた。
鼻から生温いものがつーと滴った。
それに構わずヘラルドは無言のまま、二度三度とその行為を繰り返す。
その度に蘭の血液が白い壁を朱に染めていった。
意識が朦朧としてくる。
しかし彼女に抗う術はなく、されるがままだった。
とうとう蘭が意識を手放そうとした時、ようやくヘラルドの気が済んだのか。
「まだ起きていろ」
という言葉と共に、髪を掴んでいた手が離される。
すると蘭は、まるであやつり人形の糸が切られたように、ぐしゃりと床に崩れ落ちた。
呻く蘭に、ヘラルドは嘲笑を浴びせた。
「貴様がまこと瑠璃の巫女というなら、このくらいでくたばるんじゃないぞ。何の為に石に選ばれたのか思い出せ。
生きて、さらなる地獄を見ろ」
もはや蘭は答えることが出来ない状態だった。
それを見て、ヘラルドはまた楽しそうに肩を揺すって笑いながら呼び鈴を押した。
しばらくして数人の兵士が入って来た。
蘭は床に倒れたまま、ぼんやりとした意識の端で、その足音を聞いていた。
そしてゆっくりとした足取りで蘭の方へ近付いてくる。
かわりに蘭はじりじりと後退し、ついには壁に背がぶつかった。
「怖いか?私が」
ヘラルドは楽しそうにそう言った。
「くく……そうか、私が怖いか。」
蘭の目の前まで来たヘラルドは、いきなり彼女の髪を掴み、顔を上向かせた。
容赦なく髪を引っ張られる痛みに、蘭は小さな声を上げた。
「ならば、もっと恐怖を植え付けてやろう。お前が負の感情に染まれば染まるほど、石もそちらに傾く」
「え……それはどういう意味……」
「黙れ、小娘」
静かな声と裏腹に、ヘラルドの行動は残虐なものだった。
蘭の髪を掴んだまま、振りかぶり、そのまま顔面を壁に打ち付けたのだ。
ゴンという鈍い音と共に、蘭は声もなく痛みに悶えた。
鼻から生温いものがつーと滴った。
それに構わずヘラルドは無言のまま、二度三度とその行為を繰り返す。
その度に蘭の血液が白い壁を朱に染めていった。
意識が朦朧としてくる。
しかし彼女に抗う術はなく、されるがままだった。
とうとう蘭が意識を手放そうとした時、ようやくヘラルドの気が済んだのか。
「まだ起きていろ」
という言葉と共に、髪を掴んでいた手が離される。
すると蘭は、まるであやつり人形の糸が切られたように、ぐしゃりと床に崩れ落ちた。
呻く蘭に、ヘラルドは嘲笑を浴びせた。
「貴様がまこと瑠璃の巫女というなら、このくらいでくたばるんじゃないぞ。何の為に石に選ばれたのか思い出せ。
生きて、さらなる地獄を見ろ」
もはや蘭は答えることが出来ない状態だった。
それを見て、ヘラルドはまた楽しそうに肩を揺すって笑いながら呼び鈴を押した。
しばらくして数人の兵士が入って来た。
蘭は床に倒れたまま、ぼんやりとした意識の端で、その足音を聞いていた。


