久遠の絆

ではこれを書いてすぐにカイゼライトは襲われたのだろうか。


ヘラルドの部下に?


蘭は紙片をぎゅっと握りしめた。


悔しさが込み上げる。


(どうしてわたしはいつも自分のことで精一杯で、他の人に気を配れないんだろう)


カイゼライトは自身に危険が及んでもなお、蘭やシドのことを気にしてくれているというのに。


ぐいっと彼女は涙を拭いた。


手紙を読んでいるうちに流れ落ちた涙を。


しかし感傷に耽っている暇はなかった。




「蘭さまですね」




それは突如現れた。


まだ涙に濡れる目を見開いて、蘭は呆然とした。


気配など感じなかった。


まったく気付かなかった。


背中に当たる硬いもの。


銃だ。


驚きと恐怖で体を硬直させる蘭に、それは抑揚のない声で話しかけた。


「ヘラルドさまがお呼びです。ご同行願います」


体ががたがた震えだした。


寒いのではない。


怖いのだ。


殺されるかもしれない。


蘭はそう思っていた。


「歩いてください」


従うほかない。


銃を持つそれは、いまだ人の気配を感じさせることなく、蘭を誘導していった。