「あ……」
また足が動いた。
けれど雪はなかなか思うように進ましてくれない。
やっとの思いで大木の幹に取り付くと、後ろに廻ってそこにあるウロを確認した。
「カイゼライトさん……」
躊躇いがちにウロへと手を伸ばす。
そして中を探った。
一縷の望みをかけて。
手にくしゃっと紙が当たった。
それを急いで掴んで取り出す。
それはしばらく時を経たようにくたびれた紙片だった。
緊張と興奮で震える手を叱咤して紙片を開いた蘭は、一言一句を受け止めようと丁寧に読んだ。
そこにはこう書かれていた。
『蘭ちゃんへ
しばらく会わなかったけれど、元気にしているだろうか
シドのことを君に頼んだきりで放ったらかしにしてごめんね
実は僕の方も少しごたついていてね
なかなか君に会いに行けそうにもないんだ
原因はきっと僕にある
僕のせいで君やシドにまで危険が及んだらと思うと気が気じゃないよ
このところ僕は妨害を受けている
今日もやっとの思いでようやく君への手紙だけは書くことができた
けれどこれからはそんな悠長にもしていられなくなるかもしれない
命の危険すら感じるからね
そう 僕は排除されそうになっている
ヘラルドの部下に
君も十分気を付けて
いつも助言しかできない僕を許して
ヘラルドの恐ろしさは君もよく知っていると思う
どうか気を付けて
どうか
君がこの手紙に気付いてくれることを願って』
最後の方は字が乱れていて、彼が急いでこれをしたためたということが窺われた。
日付は少し前になっている。
また足が動いた。
けれど雪はなかなか思うように進ましてくれない。
やっとの思いで大木の幹に取り付くと、後ろに廻ってそこにあるウロを確認した。
「カイゼライトさん……」
躊躇いがちにウロへと手を伸ばす。
そして中を探った。
一縷の望みをかけて。
手にくしゃっと紙が当たった。
それを急いで掴んで取り出す。
それはしばらく時を経たようにくたびれた紙片だった。
緊張と興奮で震える手を叱咤して紙片を開いた蘭は、一言一句を受け止めようと丁寧に読んだ。
そこにはこう書かれていた。
『蘭ちゃんへ
しばらく会わなかったけれど、元気にしているだろうか
シドのことを君に頼んだきりで放ったらかしにしてごめんね
実は僕の方も少しごたついていてね
なかなか君に会いに行けそうにもないんだ
原因はきっと僕にある
僕のせいで君やシドにまで危険が及んだらと思うと気が気じゃないよ
このところ僕は妨害を受けている
今日もやっとの思いでようやく君への手紙だけは書くことができた
けれどこれからはそんな悠長にもしていられなくなるかもしれない
命の危険すら感じるからね
そう 僕は排除されそうになっている
ヘラルドの部下に
君も十分気を付けて
いつも助言しかできない僕を許して
ヘラルドの恐ろしさは君もよく知っていると思う
どうか気を付けて
どうか
君がこの手紙に気付いてくれることを願って』
最後の方は字が乱れていて、彼が急いでこれをしたためたということが窺われた。
日付は少し前になっている。


