久遠の絆

来た道を戻り、隠れ家をへと通じる道も越えて、蘭はひたすら走った。


先程の疲労もあって足が動いているのかいないのか、自分でも分からないくらい麻痺して来ていたけれど、それでも走り続けた。


そしてようやく、ナイルターシャの小屋へと続く小道にやって来た。


「あと、少し……」


一瞬だけ立ち止り、息を整える。


喉の奥がつんと痛むがそんなことには構っていられない。


「急ごう」


とは言っても、小道はやはり雪掻きがなされていなかった。


積もったままの新雪を足で掻き分けるように進んで行く。


走るよりも極端にスピードは落ち、疲労もいっそう溜まっていく。


その上汗が一気に噴き出して服の中はぐしょぐしょだった。


(雪って、しんどい……)


厚手のコートを脱いで道端に隠した。


汗が引けば今度は寒くなることは分かっていたけれど、今の蘭には邪魔なものでしかなく抱えては行かれなかった。


また雪を掻き分け進んで行く。


ブーツを履いてはいたけれど、もう中までぐしょぐしょ。


足先からどんどん冷えてきていた。


体の上は暑いのに、下の方は冷たい。


そんな変な感覚がまた蘭の体力を奪っていく。


先程までの威勢はどこへ行ったのか。


蘭の勢いは急速に衰えていった。


「は~」


雪がない時はすぐに着くのに、今日は目的地まで遠かった。


立ち止まり前を見る。


雪を被って白くなった木立が、まだえんえんと続いていた。


「帰ろっかな」


つい口から漏れてしまった時、大きな木が目に止まった。