そうして差し出したお茶を、シドは一口も飲むことなく、「やり直し」と突き返した。
一人掛けのソファがまるで玉座に見えそうなくらいの横柄さだった。
「飲んでみないと、美味しいか、そうでないかなんて分かんないでしょ」
「分かるね。早く煎れ直せよ」
(むき~~~っ)
普段めったにないくらい蘭はむかついていた。
それでも渋々カップを持って台所に行こうとすると、外の方が何やら騒がしくなってきた。
「なに?」
機械が動いているような音。
「迎えが来たな」
シドは座ったまま窓の方を見ている。
「え?」
蘭はカップをテーブルに置くと、窓に飛び付いた。
「な、何あれ……」
目に飛び込んできたたのは大きな装甲車だった。
このくらいの積雪なら積もってないのと同じ。
そのくらい余裕ありげに庭先に停車していた。
そこからひとりの男が出て来た。
「ヘラルドさん……だ」
彼を見た途端胃がキュッと痛んだ。
「か、隠れなきゃ」
慌て二階に上がろうとすると、「おい」と呼び止められた。
「なに?シド。わたし急いでるんだけど」
「シドさまだろ」
「今それ、どうでもいいから」
「どこ行くんだ?使用人はちゃんとご主人さまの傍にいろ」
「使用人?!」
「なんだろ?」
涼しい顔のシド。
そんな彼をよそに、蘭は開いた口が塞がらなくなっていた。
人格が変わったのなら蘭のことも覚えていないかもしれない。
それは仕方ないと思う。
でも使用人だなんて、あんまりひど過ぎやしないか。
今まで彼との間で築き上げてきたものが、ガラガラと音を立てて崩れていくようだった。
そうやってショックを受けている間に、“彼”がやって来た。
蘭の天敵。
そう。
ヘラルドだ。
一人掛けのソファがまるで玉座に見えそうなくらいの横柄さだった。
「飲んでみないと、美味しいか、そうでないかなんて分かんないでしょ」
「分かるね。早く煎れ直せよ」
(むき~~~っ)
普段めったにないくらい蘭はむかついていた。
それでも渋々カップを持って台所に行こうとすると、外の方が何やら騒がしくなってきた。
「なに?」
機械が動いているような音。
「迎えが来たな」
シドは座ったまま窓の方を見ている。
「え?」
蘭はカップをテーブルに置くと、窓に飛び付いた。
「な、何あれ……」
目に飛び込んできたたのは大きな装甲車だった。
このくらいの積雪なら積もってないのと同じ。
そのくらい余裕ありげに庭先に停車していた。
そこからひとりの男が出て来た。
「ヘラルドさん……だ」
彼を見た途端胃がキュッと痛んだ。
「か、隠れなきゃ」
慌て二階に上がろうとすると、「おい」と呼び止められた。
「なに?シド。わたし急いでるんだけど」
「シドさまだろ」
「今それ、どうでもいいから」
「どこ行くんだ?使用人はちゃんとご主人さまの傍にいろ」
「使用人?!」
「なんだろ?」
涼しい顔のシド。
そんな彼をよそに、蘭は開いた口が塞がらなくなっていた。
人格が変わったのなら蘭のことも覚えていないかもしれない。
それは仕方ないと思う。
でも使用人だなんて、あんまりひど過ぎやしないか。
今まで彼との間で築き上げてきたものが、ガラガラと音を立てて崩れていくようだった。
そうやってショックを受けている間に、“彼”がやって来た。
蘭の天敵。
そう。
ヘラルドだ。


