◇◇◇
夕方になると雪は激しさを増し、このまま降り続けばこの年一番の積雪になりそうだった。
それを『隠れ家』の二階の窓から確認すると、シドは少し気を緩めた表情で後ろを振り返った。
そこにはベッドに横たわる蘭がいた。
ここに来るまでに眠ってしまった蘭。
あの部屋で何があったのか。
今は考えたくなかった。
今はただ、この二人だけの空間を大事にしたい。
そんな気持ちだった。
雪が積もれば、ここまで来るのは容易ではなくなる。
しばらくは二人きり、だった。
蘭を起こさないようにベッドの端に座り
、閉じた瞼にかかった髪を直してやる。
安らかな寝顔に思わず笑みが零れた。
この少女に出会わなければ?
自分はこれ程の安らぎを得ることはなかっただろう。
ここまで彼女がかけがえのない存在になるとは思いもしなかったのに。
しかし実際そうなっている。
シドはもう一度長い髪をひと房すくうと、それに口づけた。
もう誰にも触れさせない。
傷付かせない。
恋というにはまだ淡い。
しかし日に日に少女の存在は大きなものになっていた。
瞼が震え、蘭はゆっくりと眼を開けた。
シドを認め、一瞬驚いたような顔をしたけれど、すぐに柔らかい表情になり「どうしたの?」と問うた。
夕方になると雪は激しさを増し、このまま降り続けばこの年一番の積雪になりそうだった。
それを『隠れ家』の二階の窓から確認すると、シドは少し気を緩めた表情で後ろを振り返った。
そこにはベッドに横たわる蘭がいた。
ここに来るまでに眠ってしまった蘭。
あの部屋で何があったのか。
今は考えたくなかった。
今はただ、この二人だけの空間を大事にしたい。
そんな気持ちだった。
雪が積もれば、ここまで来るのは容易ではなくなる。
しばらくは二人きり、だった。
蘭を起こさないようにベッドの端に座り
、閉じた瞼にかかった髪を直してやる。
安らかな寝顔に思わず笑みが零れた。
この少女に出会わなければ?
自分はこれ程の安らぎを得ることはなかっただろう。
ここまで彼女がかけがえのない存在になるとは思いもしなかったのに。
しかし実際そうなっている。
シドはもう一度長い髪をひと房すくうと、それに口づけた。
もう誰にも触れさせない。
傷付かせない。
恋というにはまだ淡い。
しかし日に日に少女の存在は大きなものになっていた。
瞼が震え、蘭はゆっくりと眼を開けた。
シドを認め、一瞬驚いたような顔をしたけれど、すぐに柔らかい表情になり「どうしたの?」と問うた。


