「あ、あの……」
「他言は無用だ」
有無を言わせぬシドの迫力に、リリカは無意識に身を竦ませた。
その迫力とは裏腹に、シドは蘭を大事そうに抱え直すと部屋を出て行った。
シドの考えを計りかねて、リリカは困惑しきりだった。
そしてその胸に、直属の上司であるヘラルドにこの事を告げるべきか否かの葛藤も起こっていた。
建物から外にでると、雪が散らつき始めていた。
(もう雪の季節は終わりだというのに……)
降り積もった雪が溶け、地面はぬかるんでいる。
そのぬかるみに沈まないくらい、抱える蘭は軽かった。
(食は細い方だと思っていたが……)
ならば俺が肥えさせてやる。
(俺がお前を守るから)
再度そう胸に刻んだ。
その時。
舞い散る雪がひとつ、蘭の頬に降り懸かった。
白い肌に、白い雪。
それに誘われるように、シドはその頬に唇を寄せた。
思ったよりも温かい頬だった。
この温もりがある限り、彼女も大丈夫なような気がした。
「さあ行こう。『隠れ家』へ」
シドは蘭を抱え直すと、激しくなり始めた雪の中を歩いて行った。
「他言は無用だ」
有無を言わせぬシドの迫力に、リリカは無意識に身を竦ませた。
その迫力とは裏腹に、シドは蘭を大事そうに抱え直すと部屋を出て行った。
シドの考えを計りかねて、リリカは困惑しきりだった。
そしてその胸に、直属の上司であるヘラルドにこの事を告げるべきか否かの葛藤も起こっていた。
建物から外にでると、雪が散らつき始めていた。
(もう雪の季節は終わりだというのに……)
降り積もった雪が溶け、地面はぬかるんでいる。
そのぬかるみに沈まないくらい、抱える蘭は軽かった。
(食は細い方だと思っていたが……)
ならば俺が肥えさせてやる。
(俺がお前を守るから)
再度そう胸に刻んだ。
その時。
舞い散る雪がひとつ、蘭の頬に降り懸かった。
白い肌に、白い雪。
それに誘われるように、シドはその頬に唇を寄せた。
思ったよりも温かい頬だった。
この温もりがある限り、彼女も大丈夫なような気がした。
「さあ行こう。『隠れ家』へ」
シドは蘭を抱え直すと、激しくなり始めた雪の中を歩いて行った。


