久遠の絆

瑠璃の巫女を取り戻せば、また帝国に力が戻るかもしれない。


それだけは避けたかった。


(ここまで来たんだ)


帝国を倒すという野望を、あと少しで果たせるという時に。


私情を差し挟んで、すべてが水泡に帰すということだけはしたくない。


(蘭、許せ)





カイルと話すということは許すけれど


それ以上はだめだ


お前はまた、俺の元に戻ってくるしかないんだ






シドは隣を歩く蘭の顔を盗み見た。


彼女はカイルに会えることで頭がいっぱいなのか、いつも以上に晴れやかな顔をしていた。


鈍い痛みが胸を走る。


(こんなの初めてだ)


誰に対しても、こんな感情を抱いたことはなかったのに。


何故、自分よりも5つも年下の少女をこんなにも独占したいと思うのか。


まだはっきりと確信が持てない心を、シドは少し持て余していた。