久遠の絆

「カイルに会って、話してもいい?」


ここで蘭は一番の望みを口にした。


このガルーダに残ることになっても、後悔だけはしたくなかった。




大好きなあの人と、一度でいい


話をしたい




「いいよ」


シドは思いのほかあっさりと許してくれた。


蘭は思わず「は?」と聞き返したくらいだ。


「お前がそうしたいなら、そうすればいい。その上で出した答えなら、俺はもう何も言わない」


シドはきっぱりと言い切った。


「う、うん、ありがと。じゃあ、今から行って来ても?」


「いや、もう調印式が始まるから、夜の晩餐会の時にでも機会を作ってやるよ。だからもう少し待て」


「うん、分かった」


カイルと直接話せるかもしれないと思うと、にわかに胸が高鳴って来た。


(ど、どうしよう。ちゃんと話せるかな?)


緊張で言葉が出てこないかもしれない。


(でも、会えるだけで嬉しい)


蘭の頭からは午後の調印式のことは吹っ飛び、心はすでに晩餐会のことで占められていた。