久遠の絆

シドは小さく微笑んだ。


「お前を今日同席させたのは、現状を理解してもらうためだ。同盟と帝国が今どのような状態にあるのか、それを見せたかった」


「それは、よく分かったような気がするよ」


「そうか?ならば、どうする?ガルーダに残るか、帝国に戻るか」


「……」


「今更お前がダンドラークに戻ったところで意味があるのか?」


「そう、ね。……ダンドラークでは、わたしは死んだことになってるの。だから、わたしが戻ったところで意味はない。でもばばさまは、ナイルターシャさまは、あの村でしか元気でいられないの。だから、ばばさまだけでも帰してあげられないかな?」


「瑠璃の巫女が力を発揮するためには、伝説の巫女姫が傍にいなくてはならない。ナイルターシャだけ帰って、お前には何ができる?」


「……」


蘭は拳をぎゅっと握りしめた。


ナイルターシャがいなくては何もできない。


瑠璃の石の力も、かの老女の石があってこそ引き出されたのだ。


(本当に、わたしはどこまで無力なんだろう……)


「じゃあ、シドは、わたしはどうしたらいいと思うの?」


蘭は逆に問うてみた。


「俺の答えは、ひとつだ」


「?」


「お前にはここにいてほしい」


「……」


蘭自身も、シドの側にいると約束したはずだった。


(シドは試したの?)


カイルに再会し、蘭の心が揺らぐことを想定した上で、蘭自身に決断させるために協議の場に同席させたのだろうか。


穿った見方かもしれないが、蘭にはそう思われてならなかった。


「わたしは……」


もしここで蘭が帝国に帰ったとしたら、それはシドを見捨てたことになる?


蘭の中で葛藤が生まれた。