いや、もっと私が有能であれば……
そうなのだ
私がもっとしっかりしてさえいれば、これ程の困難をあの方に負わせることもなかったのだ
すべての責は、私にある
だからカイルは誓うのだ。
この身が朽ち果てるまで、ダンドラークに尽くすのだ、と。
これからだ
私の導く未来が、ダンドラークによってより良いものになるように、これからが正念場だ
同盟の傘下にあっても、数百年の帝国の誇りを忘れぬように
その誇りを国民に失わせることのないように
私は完璧な指導者にならねばならいのだ
余所見などしていられない
「くっ……」
カイルはうめき声を漏らし、頭を抱え込んだ。
余所見などしていられないと思った傍から、彼女の面影が割り込んできたのだ。
議事堂に入った瞬間、彼女しか目に入らなくなってしまった。
薄暗い議事堂の中にあっても、それがあの少女だと瞬時に悟った。
(やはりここにおられた……)
安堵と共に、切ない想いが押し寄せてきた。
ダンドラークにいた時も、ふとした時に彼女のことが頭を過ぎり、時には眠れぬ夜を過ごしたこともある。


