久遠の絆

シドはいつもの他を圧するような冷たさを放ちながら。


カイルは常になく辛辣な言葉を用いながら。


そこではまさに言葉による戦争が行われていたのだ。


「あの新兵器による攻撃は戦争犯罪だと問われてもおかしくない。それについて補償を行う考えは総帥にはおありか?」


カイルがそう切り出せば、シドは鼻で笑い、

「あるわけないだろう」

と一蹴した。


「戦争犯罪とはお思いにならない?」


「では、訊くが。戦争犯罪とはなんだ?元帥」


シドは明らかに相手を小馬鹿にしたような態度だった。


自分の立場の方が上なのだと、カイルに無言の圧力をかけているようだ。


カイルの薄緑色の瞳に、険しい光が灯る。


「何の予告もなく、多くの兵士の命を奪った攻撃が、犯罪でなく何だ?さらにジャングルにおいて、罪なき民間人の集落を壊滅させた。それでもまだ、しらを切るおつもりか」


「しらを切っているつもりはない。俺が言いたいのは、元帥。すべてはこちらの計画通りに行われたのだということだ。いちいち予告して攻撃する阿呆がどこにいる?」


「総帥」


カイルの声音が一オクターブほど下がった。


そんな声は側近ですら聞いたことがないだろう。


しかしそれすらも楽しむように、シドは薄ら笑いを浮かべながら、カイルの次の発言を待っている。


「何事もやりすぎは良くないとお思いにならないか?通常の交戦で犠牲となったのなら自国で補償することになるだろう。だが、あれは言うなれば、無差別大量殺人だ。
犠牲となった者は、それを意識することなくこの世から葬り去られたのだ。それについて少しも胸が痛まないと、あなたはそこまで卑劣なのか?」


最後の言葉に、同盟側で控えていた数名の護衛が気色ばんだ。


それを抑えるようにヘラルドが片手を上げた。


シドはそんな周りの動きなど意に介することなく平然としたまま、挑むようにカイルを見ている。


そして。


「あんたが今言ったどの部分に胸を痛めたらいいのか、俺に教えてくれよ。元帥」