久遠の絆

しかしそう思ったのも束の間、彼の胸をチクリと痛みが走った。


ともすれば忘れてしまいそうになる事実が、突如頭を占領する。


(それもまた、己が望んだこととはいえ……)


彼の美しい顔に憂いの影が差しそうになった時、ヘラルドの声がした。


「元帥どの、こちらが会場になります」


はっとして顔を上げると、いつの間にか中庭を過ぎ、一つの大きな建物の前に立っていた。


「ここは我が国の議事堂です。すでに同盟各国の代表が集まっております」


またヘラルドの顔に上辺だけの笑顔が戻っていた。








装飾の施された、大きな扉が開けられた。


中は明かりが乏しいのか、カイルは目が慣れるまで数秒を要した。


そしてその目が慣れた時。


彼の視線の先に最初にあったのは。


漆黒の総帥でもなく。


各国の代表でもなく。







彼が時に眠れぬまま夜を明かしたほど思い続けた、少女がいたーーー。