久遠の絆

◇◇◇



数週間後。


ガルーダの空を、いくつもの大型の艦船が埋め尽くした。


明らかに同盟側の船ではないとわかる。


それは轟音を立てながら体勢を整え、ゆっくりとガルーダの空港へと下り立った。


滑走路の脇には同盟側の兵士が立ち並び、その艦隊を敬礼をもって迎えている。


万全の警備態勢が敷かれた中、ついに帝国の母艦が、かの元帥を乗せた船がガルーダへとやって来たのだ。


兵士の中から隻眼のNO.2が進み出て、母艦から下ろされたタラップへと近寄っていく。


彼がタラップの最下段へと辿り着いた時、最上段で白いマントがはためいた。


それを隻眼でとらえるヘラルド。


敬礼などはしない。


それを拒むように両手を鷹揚に後ろで組み、挑むようにタラップの上方を見上げた。


彼の上司とは対照的な、白い軍服。


それに身を包んだ美貌の帝国元帥が、一歩一歩確かめるようにゆっくりと下りてくる。


冬の冷たい風が、肩まである美しい金髪をひと房さらって吹き過ぎていった。


それすらも嘲笑うように、ヘラルドの口元には薄い笑みが張り付いている。


それを気にする風でもなく、帝国元帥は穏やかな微笑みを絶やすことなくタラップを降り切った。


「ようこそ、元帥どの」


「わざわざの出迎え、恐縮です。参謀どの」


それでも、ふたりの間には火花が散った。


穏やかな微笑みの裏に、帝国元帥カイル・アルファラの胸中にはどれだけの思いが隠されているか。


想像するにはあまりあるだろう。


だが。


ここでは帝国の立場はすこぶる低い。


どんな思いを抱えていようと、停戦協定締結のために笑顔を絶やすことはできないのだ。