久遠の絆

◇◇◇




「本当に停戦をお考えで?」


「そのようだ」


「あと一歩というところで帝国の首都が陥落するというこの時に?」


「総帥はやはり帝国の出身でいらっしゃるから、いざとなったら故国への哀惜の念が湧いたのやも知れませぬな」


ヘラルドを中心として、同盟のお歴々が顔を突き合わせて話し込んでいる。


「総帥のお考えの真意はどこに?ヘラルドどの」


少しも表情を崩そうとしないガルーダのNO.2に、恐る恐ると言った感じで一人の男が話しかけた。


ひとり黙考していたヘラルドは、眼帯をしていない方の、瞼を閉じていた眼を開けると、その男をぎろりと睨みながら、

「総帥の真意はさすがの私にも分かりかねる。だが……総帥がそう指示されるなら、それに従うのみだ。それが我々の立場だからな」


それを聞いて、尋ねた男はうっと言葉を詰まらせた。


だが皆考えていることは同じなのか、他の国の代表が代弁するように口を開いた。


「だが如何に総帥のご命令とあれど、我々の目的は帝国を倒すことであったはず。それを信じて我々はガルーダにつき従ってきたのだ。もし停戦となれば、帝国の存続を許すということにならないか?」


その言葉に、他の面々も一様に頷いている。


ヘラルドの片目がきらりと光った。


そして発言した男に射抜くような視線を向けた。


「帝国は倒す。必ずだ。停戦となろうとも、帝国の存続を許しはしない。それは総帥も同じだろう。あなたがたは今まで通り、ガルーダを、シド・フォーンを信じてついて来られたらよいのだ」


「……」


その視線と言葉だけで、その場にいた同盟国の代表たちは皆、服従した。


まるで部下のようにヘラルドに敬礼を向け、忠誠を誓ったのだ。









これで同盟と帝国は停戦に向け、急速に動き出すことになる。