久遠の絆

どのくらい気を失っていたのか分からない。


目覚めると、大きな窓の側に置かれたふかふかのソファに寝かされていた。


窓から差し込む光をあまり感じないから、夕方近くになっているのかもしれない。


まだぼんやりする頭を押さえながら起き上ると、

「目覚めたか?」

というシドの声が、少し離れた所から聞こえてきた。


そちらに目をやると、シドはまた仕事をしていたようだ。


「気分は?」


「少しぼーっとするけど大丈夫……あの、ヘラルドさんは?」


不安になりながらそう訊くと、シドは少し笑んで、

「あいつのことは心配いらない。お前に手を出すことはもうないから」

と優しく言っってくれた。


「……なんて、話したの?」


「別に何も。ただお前がこのガルーダにとってどれだけ必要かをこんこんと説いて聞かせただけさ」


そう言って、シドは立ち上がると、蘭の方へとやって来た。


「もう大丈夫だから。ここにも、隠れ家にも、自由に出入りしな」


「……う、うん」


まだ首に、じんじんとした鈍い痛みがある。


あの人のあの目を思い出しただけで、恐怖に身がすくむようだった。


でも、たぶんもう大丈夫。


ふたりの間でどんな話がされたのか、蘭には見当もつかないけれど、シドが大丈夫というからにはきっと大丈夫。


だから、堂々と胸を張ろう。


恐れていては何もできやしないんだから。