久遠の絆

(シド、なんか雰囲気が違う?)


蘭は漆黒の瞳に見つめられ、どうしてらいいのか分からなくなった。


そこに込められている思いがひしひしと伝わってくるような気がして戸惑った。


けれどすぐにシドは、空気を変えるように息をついて視線を下に落とした。


その熱い視線から解放されほっとする蘭に、

「お前といると落ち着くな」

と呟くのが聞こえた。


「そ、そ、そんな」


思ってもみない言葉に再び戸惑うと、「お前みたいなやつは今までいなかったからな」と付け加えた。


「それは……わたしが異世界の人間だっていうこと?」


するとシドはふっと笑って、「まあ、そんなとこだ」と曖昧に答えた。


(なんだろう、違うのかな……分かんないや)


「蘭」


「は、はいっ」


突然名前を呼ばれ飛び上った。


「お前に傍にいてほしい。いや、いてくれるか?」


「も、も、も、も、もちろん!だって、最初にお願いしたのはわたしだもの」


シドが微笑んだ。


冷酷無比と言われるガルーダの総帥が、優しい微笑みを浮かべている。


そんな笑顔を見たのは、おそらく蘭をおいて他にはいないだろう。


美貌の総帥の笑顔に、蘭は惚けたようにぼーっとなった。


(綺麗な人がそんな風に笑ったら心臓が持たないっす)


顔が熱い。


心臓もドキドキだ。


(シドさん。その笑顔は犯罪です!)


蘭の動悸はまだまだ治まりそうになかった。