久遠の絆

「体調は、どうですか?」


一番気になっていることを訊くと、彼は穏やかな微笑みを浮かべた。


「相変わらずだ。すぐに良くなるというものでもないだろう」


「そうですね」


けれど彼の表情からは、憂いの色が薄らいでいるように見えた。




彼は強い人だ。


きっと大丈夫。


いつか良くなる。


焦らないで、見守ってあげよう。



改めてそう思った。


子供の自分が見守るなんておこがましいけれど、少しでも彼自身を理解し傍にいてあげていれば、彼もそれを感じてくれたら、徐々に病気も良くなるのではと思う。


理解し、傍にいてくれる。


それ程力を与えてくれるものはないと、蘭自身感じているのだから。


「お前の方は大丈夫なのか?」


訊かれ、すぐに”あのこと”だと気が付いた。


今は長袖の下になっている、しかし包帯では隠されることのなくなった傷のこと。


その方に視線を落としながら、


「まだ完全に大丈夫だとは言えないけれど、時に胸を引き裂くような痛みに襲われることがあるけれど、でも、なんとなく……この世界にいるうちに、それに勝てるくらいの強さが自分の中にできたかなって」


あの時、あの化け物を打ち破った青い光。


それは石が発したものだったけれど、自分の内から湧いてくる”負けない”という強い気持ちに石が反応したのだと、今なら分かる。


きっと石と巫女とはそのような関係にあるのだと、蘭自身悟り始めていた。


「そうか、お前は強いんだな」


シドが感慨深げにそう言った。