久遠の絆

ではやはり、明日の朝がチャンスなのだ。


逸る気持ちは抑えがたく、どうも今夜も眠れそうになかった。


(でも今夜は意地でも寝なくっちゃ)


少ないチャンス。


しくじっては意味がない。


シドがひとりになる機会はそう多くはないのだから。


それでもベッドに入っても、なかなか寝付かれなかった。


(ああ、やばい、やばい)


眠たい頭で、あのシド・フォーンと対峙するなんてことはしたくないのに。


たとえ人格の変わっているシドであっても、シドはシドだ。


子供の蘭が対等に渡り合おうなど不可能に近い。


だから頭が少しでも良く働く状態で立ち向わなければ、すぐに白旗を上げることになるだろう。


しかし、(寝なくちゃだめなの)と自分に言い聞かせても、目は冴えるばかり。


諦めて蘭はカイルのことを考えることにした。


彼のことを考えて癒されよう。


あの綺麗な顔を思い出せば心も落ち着くはず。


(ああ、カイルってばかっこいい……)


するとそれが幸いしたのか、はたまた頭を切り替えたのが良かったのか、蘭を睡魔が襲ってきた。


(ああ、待って。もう少し、カイルのこと考えていたいよ……)


そう思ったのを最後に、今夜は深い眠りへと落ちることができたのだった。