翌朝。
眠い目を擦りながらナイルターシャの小屋に行くと、聡い老女には蘭が寝ていないのだということがすぐに分かってしまったらしい。
「まあ、赤い目をして。珍しいわね」
「へへ、ごめんなさい」
そう言いながらも、蘭は大きな欠伸をひとつした。
ナイルターシャはくすくす笑いながら、「少しここで休むといいわ」とベッドを指差した。
「え、でも、それじゃばばさまが……」
「わたくしは大丈夫。あなたのおかげで体調も良くなったし、少しずつ起きる癖を付けなくちゃ」
「でも……」
それでもベッドを独占してしまうことには抵抗があった。
「じゃあ、このベッドの端でいいです。少し貸してもらってもいいですか?」
「それでは休めれないでしょ?」
「どうせ昼は熟睡なんてできないから。少しうとうとできたらいいです」
「そう?」
まだ何か言いたげにするナイルターシャを余所に、蘭はベッドの端に突っ伏した。
熟睡は出来そうもないけど、やはり眠気は襲ってくる。
加えてナイルターシャが柔らかな手付きで頭を撫でるものだから、蘭はたちまち眠りの中へと落ちていった。
夢を見たような、見ていないような。
あやふやな感じだった。
それでもしっかりと眠ることはできたようで、目覚めた時にはすっきりとしていた。
「おはよう」
編み物の手を止め、穏やかに微笑みかけるナイルターシャに微笑み返すと、「うーん」と伸びをして、
「ばばさま、明日は少し遅れるかもしれません」
と言った。
ナイルターシャは何故とは聞かなかった。
ただ微笑みながら頷いただけ。
眠い目を擦りながらナイルターシャの小屋に行くと、聡い老女には蘭が寝ていないのだということがすぐに分かってしまったらしい。
「まあ、赤い目をして。珍しいわね」
「へへ、ごめんなさい」
そう言いながらも、蘭は大きな欠伸をひとつした。
ナイルターシャはくすくす笑いながら、「少しここで休むといいわ」とベッドを指差した。
「え、でも、それじゃばばさまが……」
「わたくしは大丈夫。あなたのおかげで体調も良くなったし、少しずつ起きる癖を付けなくちゃ」
「でも……」
それでもベッドを独占してしまうことには抵抗があった。
「じゃあ、このベッドの端でいいです。少し貸してもらってもいいですか?」
「それでは休めれないでしょ?」
「どうせ昼は熟睡なんてできないから。少しうとうとできたらいいです」
「そう?」
まだ何か言いたげにするナイルターシャを余所に、蘭はベッドの端に突っ伏した。
熟睡は出来そうもないけど、やはり眠気は襲ってくる。
加えてナイルターシャが柔らかな手付きで頭を撫でるものだから、蘭はたちまち眠りの中へと落ちていった。
夢を見たような、見ていないような。
あやふやな感じだった。
それでもしっかりと眠ることはできたようで、目覚めた時にはすっきりとしていた。
「おはよう」
編み物の手を止め、穏やかに微笑みかけるナイルターシャに微笑み返すと、「うーん」と伸びをして、
「ばばさま、明日は少し遅れるかもしれません」
と言った。
ナイルターシャは何故とは聞かなかった。
ただ微笑みながら頷いただけ。


