久遠の絆

胸元に紙の感触を感じながら、蘭はリリカと連れ立って歩き始めた。


「今夜は雪になるかもしれないです」


「え、本当?」


「だいぶ冷え込んでますし、ほら、星があんなにきれいに見えてます」」


見上げると、凍えた空に満天の星が瞬いていた。


「そっか、雪か。この辺りはたくさん降るの?」


「積もって困るほどではありませんけど、雪遊びくらいでしたらできますよ」


「へえ、そうなんだ」


スキー場にもめったに行ったことのない蘭は、屋根が白くなる程度の雪しか知らない。


「雪遊びか」


なんだかわくわくしてきた。


(もしシドと仲良くなれたら、雪合戦とかしたいな。でも大人だkら、そんなことしないかな)


「ラン様?」


「う、ううん。何でもない。リリカは雪遊び、したことある?」


「子供の頃はしましたよ。弟や妹と」


「へえ、リリカ、兄弟いるんだ。いくつ離れてるの?」


「えっと……」


言いかけて、リリカは口をつぐんだ。


「どうしたの?」


「すいません。おしゃべりが過ぎました」


「いいのに。わたし、リリカともっといろんなこと話したいな」


建物の明かりの下で、リリカは少し顔を赤らめたようだった。


「いえ、無駄口は慎むべきですので」


「そうなんだ……」


せっかく彼女と仲良く会話ができそうな雰囲気だったのに。


でも無理強いはできない。


それから部屋に着くまでリリカが口を開くことはなかった。