久遠の絆

ふらつくリリカを支えながら蘭の部屋まで戻ると、テーブルにはもうすっかり冷めた夕食が並べられていた。


「ごめんね。わたしが遅れたから」


改めてそのことを謝ると、リリカは苦い笑みを浮かべながらかぶりを振った。


「いいえ。私の不甲斐なさが招いたことですから」


蘭はこれ以上は申し訳なくて、急いで椅子に座ると、一気に皿の上のものを片付けた。


冷めてもなお美味しい料理で、蘭は食べ終わると満足そうに溜息をついた。


それから長椅子に座り、リリカが食器を片付けるのを待って切り出した。


「リリカはもう休みなよ。寝る支度くらい、わたし自分でできるから。まだ辛そうだから、早く横になった方がいいよ」


しかしリリカは首を縦に振ろうとしない。


「リリカ。無理は良くないよ」


カイゼライトはどれくらいの力で彼女の首をついたのだろうとふと思った。


でもリリカも一応体術の訓練を受けている。


そのことを踏まえた上で力を加えたのだとしたら。


(カイゼライトさん。意外と女の子にも容赦ないんだわ)


それだけ彼も必死だったと言うことだろうか。


「ねえ、とにかく頭が痛いのはあんまり良くないよ。ほんとにわたしのことはいいから、早く休んだほうがいいって」


そう何度も繰り返すと、リリカもようやく渋々頷き、


「では今夜はこれで失礼します。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」


「いいって、いいって。頭少し冷やした方がいいよ」


そう言いながら蘭は手をひらひらさせた。


リリカが隣室に戻ると、蘭は寝巻きに着替えベッドに横になり、ふーとひとつ長い溜息
をついた。


シド・フォーンの秘密を知ったことが、今さらながら重く圧し掛かってきたのだ。