久遠の絆

「君があの小屋に行く時に通る、森の小道のちょうど真ん中辺りに、大きな木があるだろう?。あの木の裏側にはウロがあるんだ」


「はい?」


「そのウロにね、僕のメッセージを書いた紙を入れるから、君はそれを取って行ってほしいんだよ」


「ああ、わかりました!」


そういうことかと蘭も納得した。


「あの森は僕の庭みたいなものだから、見つかることはないと思う」


「はい、わたしも気を付けます」


そこまで話したところで、リリカのいる茂みに着いた。


そっと近寄ると、彼女はいまだすやすやと眠っていた。


ふっとカイゼライトの気配が消えた。


見つかる前に帰ってしまったのだ。


それを少し残念に思いながら、蘭はリリカを揺り起こした。


「リリカ!こんなとこで寝てたら風邪引くよ!」


「ん……」


リリカは苦しそうに呻くと、目を覚ました。


「どうしたの、こんなところで?」


知らないフリをするのは辛いけど、でも仕方ない。


「あ……ランさま……」


彼女はまだはっきりしないのか頭を抑え、顔を歪めている。


「どうしたの?頭痛いの?」


「……ランさまをお待ちしていたら、急に首の後ろを誰かに殴られて……」


「え、でも、誰もいなかったわ」


「ランさまはご無事でしたか?」


「ええ、今夜は待ち合わせの時間に少し遅れてしまったのよ。わたしがいけないんだわ」


自分でも白々しいと思いながら、蘭は言葉を紡いでいた。


でも、カイゼライトに会っていたなんて知られてはいけないのだから。


これは仕方のない嘘だった。