久遠の絆

(あれ、てことは、それだけリリカをあそこに放置してたってことで……)


毛布を掛けているとはいっても、初冬の寒さにどこまで耐えているか。


途端に彼女のことが心配になってきた。


「あの側仕えの女の子のことだね?」


そんな蘭の心中を察したように、カイゼライトが言った。


本当にどこまでも聡い人だ。


「はい、なんだか急に心配になってきちゃった」


「あの子もヘラルドの部下なのに、心配してあげるなんて、優しいんだね」


「……カイゼライトさんて、どこまで事情に通じてるんですか?」


ふと疑問に思ったことを口に出すと、カイゼライトはくすくす笑いながら


「中心から離れている方がよく見えるってこと、あるんだよ」

と大したことでもなさそうに言ったのだ。


「へえ、そうなんですね」


としか蘭には答えようがなかった。


まだまだカイゼライトも謎の多い人だった。






外に出ると、ひんやりと冷たい空気に襲われた。


「うわ、さむ」


「うーん、さすがにこれは可哀相だったかな?」


カイゼライトもリリカのことを案じ始めたようだった。


リリカのいる森の入り口までそう遠くはなかったが、自然とふたりは小走りになっていた。


「あ、そうそう」


走りながら、カイゼライトが何かを思い出したらしい。