久遠の絆

手首を押えながら、蘭はもう暗くなってしまった小道を歩いている。


もうすぐ森の入口。


リリカが待っている。


やはり少し待ち合わせの時間に遅れてしまった。


ちょっと遅れただけでも、監視役のリリカは訝しく思うかもしれない。


そうなれば、意を決して解いたこの包帯も無駄になってしまうだろう。


だから蘭は小走りになって道を急いだ。


ようやく暗闇に浮かび上がる人影がぼんやりと見えてきた。


蘭は走りながら、「遅くなってごめんなさい!」と声を上げた。


追及される前に、先に謝っておこうと思ったのだ。


でも何かがおかしいと感じていた。


あの人影、リリカにしては大き過ぎやしないか。


近寄るに従って、その疑問は確信に変わっていった。


あれはどう見ても男性だ。


それもかなり長身。


髪は肩よりも長い。


(誰?!)


ヘラルドだろうか?


いや、でも彼なら髪を後ろで束ねている。


あんなふうに何もしないで下ろしているのは……。


(まさか、そんな訳ないよ)


走る速度が遅くなっていった。


彼であって欲しいという気持ちと、彼であって欲しくないという気持ちと。


二つがない交ぜになって、蘭の心の中をくるくる回っている。


もし彼なら……。


どうしてこんな所にいるんだろう。


もうあと数歩のところで、蘭は立ち止った。