久遠の絆

徐々に露わになっていく無数の傷。


それはなるべく見ないようにして、石をはめた指に巻き直した。


光は隠された。


けれど、胸が痛む。


この傷を見つけられてどうしたのかと問われた時、何と答えたらいいのだろう。


はっきりと、本当のことを言える訳がない。


無意識に片方の手で傷を隠しながら、蘭は立ち上がり、戸口へと向かった。


石が光る理由をナイルターシャに聞きたいけれど、安らかな眠りの中にある彼女を起こしたくはなかった。


だから、蘭はいつも以上に物音を立てないようにして部屋を後にした。






また明日、石が光る理由を聞けばいい。


それまでには光も治まり、また包帯を巻き直せるに違いない。


だから、一晩。


一晩だけ。


この傷を見つからないように気を付ければいいんだ。










蘭が出て行ったあと。


ナイルターシャが薄く目を開けた。


労しげに少女の消えた扉を見つめている。


「あの子はもう十分、辛い思いをしました。

神よ、あの子の行く末に幸福を……」


神の使いである伝説の巫女姫の、心底からの願いだった。