久遠の絆

ぽわんと石が淡い光を放った。


話をしていて、そんな反応は初めてのことだった。


「ど、どうしたの?」


大きな声を上げてしまって慌ててナイルターシャを見たが、彼女は起きることなく、すやすやと寝息を立てていた。


「良かった……」


ほっと息をついて石を見ると、それはまだ青く輝いたままだ。


「いったい、どうしたの?」


もうすぐ部屋に帰る時間。


淡い光とはいえ、見ればリリカは不審に思うかもしれない。


そうなるとヘラルドに知られてしまうかもしれない。


彼が知ってしまうと、また何をされるか想像もつかなかった。


石の構造を調べるからと言って、取り上げられてしまうかもしれなかった。


(どうしよう。もう行かなきゃ)


ハンカチがあれば指に巻くこともできた。


けれどあいにく今はない。


(エチケットとして、やっぱりいつも持っておくべきだよね)


けれど自分のだらずさを悔いている時間はなかった。


本当にもう行かなければならない。


蘭の思いに反して、心なしか光が強まっているような気がする。


その時手首に巻かれた包帯に目が行った。


相変わらずそれは手首に巻かれていた。


リリカに言われても、これだけは取ることができなかったのだ。


でも、今は。


指に巻けるものと言えば、これだけだった。


石の光を晒すよりは。


(ずっと、いい!!)


自分に言い聞かせるように心の中で叫ぶと、蘭は包帯を勢い良く解いた。


ギュッと目をつむって、しゅるしゅると解いていった。