久遠の絆

でも、あの時カイルに出会わなければ、なくしていたかもしれない命だった。


そう思うと、彼との出会いやこの世界でこうして多くのことを経験していることはやはり運命だったのだと考えてしまう。


(前は運命とか、そんな甘ったるいこと考えるのも嫌だったのに)


そんなことを思い巡らせていたために、せっかくの料理も味わったのかどうかよく分からないまま終わってしまった。


「本当に良くお召し上がりになりましたね」


感心したように呟くリリカの声を聞きながら、蘭はソファの背もたれにもたれかかった。


もう何もおなかに入らない、という感じだった。







その後蘭は少しうとうとしてしまったのかもしれない。


体の上に毛布が掛けてあり、部屋の中は最大限に明かりが抑えられていた。


リリカは隣の控えの部屋に戻ってしまったらしい。


シーンと静まり返った室内は、しんしんと冷え始めている。


「もう冬になるんだもんね」


ダンドラークは今夏真っ盛りだろうか。


初冬のガルーダとは、気候も正反対だった。


蘭は毛布を体に巻くいつけた。


そろそろ決行の時間。


部屋を抜け出し、あの人に会いに行こう。


(どうか、今も東屋に来ていますように)


心底からの願いだった。


晴れ渡った夜空には、明るい月と無数の星。


放射冷却で、今夜はよく冷えそうだった。


それでも毛布にくるまれているから寒さを感じることはなく、蘭は気付かれていないか後ろを振り返りながら歩いて行った。


茂みを抜けた。


この先には東屋が……。