久遠の絆

「カイル……?」


「あなたを必ず迎えに行きます」


搾り出したような、かすれた声。


「カイル、どうしたの?」


彼に抱きしめられていると言うことに安堵し、蘭は彼の胸に顔をもたせかけた。


トクントクンと少し早い鼓動が聞こえてきて、これは夢ではなく、本当のことではないかと思ってしまう。


しばらくの間、ふたりはお互いの存在を確かめ合うように抱き合っていた。


「辛いことはありませんか?」


カイルが蘭の顔を覗き込むようにして尋ねた。


蘭は安心させるように首を横に振る。


本当はいろいろありすぎてかなりテンパっているけれど、それをカイルに告げるのは気が引けた。


心配をかけたくはなかったから。


「そうですか……」


辛くはないということを、聡いカイルがどこまで信じたかは分からないけれど、カイルもそれ以上追求してくることはなく、また蘭を抱く腕に力を入れた。


「……蘭さま……」


思いが溢れ出たような彼の声に、蘭は思わず縋りつくように彼の背中に腕を回していた。


(カイル、大好き)


けっして言えないことだったけど、その想いが少しでも彼に伝わればいいと思う。


そして彼も、少しでも自分のことを気にしてくれているなら。


それほど嬉しいことはなかった。


ややしてカイルは腕を解き、蘭から離れるようにあとずさった。


蘭はいやいやと首を振る。


けれどカイルは、


「お会いできて良かった」


と別れの言葉を口にした。