久遠の絆

青と緑の光に包まれた老女の顔色は、ゆっくりとではあるが赤みを取り戻していった。


まだ完治ではないにせよ、ずっとましになっている。


「ナイルターシャさま」


ふたつの光に包まれ、自身も淡く光っている老女に声を掛けると、ゆっくりと瞼が開けられた。


「ナイルターシャさま!」


喜びも露わに名を呼ぶと、老女は薄く微笑み頷いた。


「良かった……」


ほっと安堵の溜息が零れる。


一刻を争う老女の容態であっただけに、これはまさに奇跡だった。


(こんなこと、ほんとにあるんだ)


それも不思議な石の力のおかげなのだ。


けれどしばらくしてナイルターシャは、「ありがとう」と聞き取れないほどの声で言ったのだった。


蘭は首を激しく振った。


自分は礼を言ってもらえるようなことは何もしていない。


それを言うなら、石たちにだろう。


そう言うと、老女は笑みを浮かべたまま、こう言った。


「いいえ。あなたがいたから、石も働こうという気になったのですよ」


「……」


どう返していいのか分からなかった。


シェイルナータもナイルターシャも、石が蘭を選んだのだと言う。


しかし蘭自信は何もしていない。


石の力さえあれば、なんでもできるんじゃないか。


(わたしはただ、石を持ってる人ってだけじゃない)


石を必要なところに持って行くための、運び屋。


石が悪い奴に奪われないようにするための、守り人。


(ほんとに誰でも出来ることだわ)