久遠の絆

◇◇◇



涙を流し続けていた蘭は、ふと指輪が熱を帯びていることに気付いた。


熱くはない。


ほんのりと、自身の存在をその持ち主に指し示すための温もり。


蘭がしゃくりあげながら指輪を見ると、瑠璃の石が淡い光を放っていた。


(石が……光ってる……?)


そう思った瞬間、心臓がドクンとなった。


(え?)


それはなぜか懐かしく思う感覚だった。


(わたしは前から知っている?)


そんな筈はないというのに。


「ナイルターシャさま」


老女に呼びかけると、硬く閉じられた瞼がぴくりと動いた。


這うようにして側に寄っていくと指輪の温度が増した。


老女のはめた指輪も淡い光を放っていた。


「あ!」


その光と光が呼応する。


青色の光と緑色の光。


二つの光は手を差し伸べ合うかのように混じり合い、そしてどんどん強くなり、大きく膨らんでいった。



それはやがて老女の体を包み込んだ。


互いが均等というよりも、むしろ緑の光が先導しているように見える。


それがヘラルドの言っていた、『巫女姫が瑠璃の石の力を引き出す』ということなのだろうか。


ではナイルターシャのしている指輪の石は、瑠璃の石と同じ類のものなのか。


疑問には思えど、けっして答えを知ることはない。


蘭には誰も、何ひとつ肝心なことは教えてくれないのだから。



改めて思う。


(わたしの存在って、なに……?)