片時も忘れたことのない、金髪の青年のことだった。 (カイル、会いたいよ) そう思ってしまうともうダメだった。 彼女は瞼から涙を溢れさせながら、膝から床に崩れ落ちた。 しばらくの間静かな部屋には、彼女の嗚咽だけが響いていた。 瑠璃の石にその涙が落ちる。 瑠璃の光が淡く瞬く。 その光はゆっくりゆっくり強くなっていった。 これから起こる不思議に、蘭はまだ気付いていない。