「あの老婆を連れて来たのは、お前のためなのだよ。お前は巫女姫がいなくては何の力も振るうことができない。瑠璃の石を持つのはお前でなくてもいいんだ。
お前の価値は、今瑠璃の石を持っている。それだけだ。
早く部屋の戻り、老婆に石の力を引き出させろ。そうすれば死の淵から甦るだろう」
予言のように澱みなく告げられた言葉は、蘭の胸に突き刺さった。
(わたしでなくていい……)
それはシェイルナータにも言われたことだった。
けれど、シェイルナータは石が蘭を選んだのだとも言った。
そう言ったのはかの女性の優しさで、本当はやっぱり自分でなくていいんじゃないか。
この世界にいる間に少しだけ自信を持つことが出来始めていたのに、それが足元からガラガラと崩れていく。
蘭はそんな感覚に陥っていた。
「さあ、立て。こうしている間にも、老婆はどんどん弱っているぞ」
無理やり立たされ、引きずられるようにして歩いて行った。
ふらふらと覚束無い足取り。
そんなことなどヘラルドまったく気にしていないのだろう。
口元に笑みさえ浮かべて、か弱い少女を力で押さえつけ、意のままに動かしている。
彼にとっては政治のための道具でしかないのだ。
瑠璃の巫女も、伝説の巫女姫も。
お前の価値は、今瑠璃の石を持っている。それだけだ。
早く部屋の戻り、老婆に石の力を引き出させろ。そうすれば死の淵から甦るだろう」
予言のように澱みなく告げられた言葉は、蘭の胸に突き刺さった。
(わたしでなくていい……)
それはシェイルナータにも言われたことだった。
けれど、シェイルナータは石が蘭を選んだのだとも言った。
そう言ったのはかの女性の優しさで、本当はやっぱり自分でなくていいんじゃないか。
この世界にいる間に少しだけ自信を持つことが出来始めていたのに、それが足元からガラガラと崩れていく。
蘭はそんな感覚に陥っていた。
「さあ、立て。こうしている間にも、老婆はどんどん弱っているぞ」
無理やり立たされ、引きずられるようにして歩いて行った。
ふらふらと覚束無い足取り。
そんなことなどヘラルドまったく気にしていないのだろう。
口元に笑みさえ浮かべて、か弱い少女を力で押さえつけ、意のままに動かしている。
彼にとっては政治のための道具でしかないのだ。
瑠璃の巫女も、伝説の巫女姫も。


