久遠の絆

「詰まらせたの?かわいそうに」


シドは労わるように言いながら、蘭の背中をさすっている。


(ひえ~!シドの手が背中にっ)


あまりのことに今度はコーヒーを吹き出しそうになったが、それは何とか持ちこたえた。


普通ならありえないシドの行動の数々。


(ほんとにどうしちゃったの?)



「もう、大丈夫?」


「は、はい、ありがとうございます!」


上ずった声で答えると、蘭は早々にここを立ち去ることに決めた。


これ以上こんなシドと一緒にいたら、ただでさえいろんなことを考えなければならない頭が、いっそう混乱してしまう。


「あ、あの、わたしそろそろ行かなくっちゃ。ご馳走様でした!」


言い置いて、さっさと踵を返そうとすると、ぎゅっと手首を握られた。


「行ってしまうの?」


胸がきゅっと痛むような、切ない声だった。


「あの、わたし急いでるんです。早くヘラルドさんを見つけて話をしないと!」


胸の痛みを振り払うように早口で言って振り向くと、そこには子犬のような頼りない目
をした彼がいた。


「……っ」



なんて目をしてるんだ、この人は!


本当に、いったいどうしたというんだろう。



「そうか、ヘラルドに会いたいんだね。ならここで待っているといいよ。俺を迎えに来るからね」


「ヘラルドさんが?迎えに?」


「そう。もうすぐ、来る」


するとシドは苦しそうに顔を歪め、その場に崩れ落ちた。


「シドさん?!」