久遠の絆

地下トンネルをようやく抜けると、朝日がまぶしく輝いていた。


「よしっ」


もういちど気合を入れるように言い放つと、蘭は昨夜ヘラルドと来た小道を戻って行った。


しかし夜と朝、しかも来る方と帰る方では、周りの景色も違って見えるものだ。


蘭はいつしか違う小道へと入り、今まで来たことのないエリアへと迷い込んでしまったようだった。


「しまった……」


とりあえず自分の部屋に戻り、いよいよになればリリカの首を絞めてでもシド・フォーンの居場所を聞き出そうと思っていたのに。


これでは、ただむやみやたらに歩き回っているだけになってしまう。


「誰かいないのかな……?」


誰かいたとしても、捕まってしまっては意味がない。


ここに来て、蘭は途方に暮れてしまっていた。


その時目の端に何かが通るのが映った。


何気なくそちらを見ると、誰かがふわりと飛ぶように、茂みの中に消えるところだった。


蘭は惹かれるように、そのあとを追って茂みへと飛び込んでいた。









深い、森のような茂みを抜けると、一本の道がひとつの建物へと続いていた。


(あれはきっと、あのヴァイオリンの人だ)


羽根のようなふわふわとした、柔らかい雰囲気を纏った、まだ姿を見ぬ人。


でも蘭は確信していた。


(ヴァイオリンの人が、この先にいるんだ……)