久遠の絆

するとまた、ヴァイオリンが曲を奏で始めた。


蘭はゆっくりと目を閉じた。



全身で音を感じたい。


そして力を貰いたい。


ちょっとしたことで折れてしまわないように、


いつも顔を上げて前を見ていられるように、


わたしはもっともっと強くなりたい。


うわべだけでなく。


この曲のように、周りの人にも何かを与えられるくらい強くなりたい。


ねえ、カイル。


そしたら、少しはあなたに近付けるかな……。


あなたへの想いに自信が持てるようになるのかな。



でも。


その時にはもう、違う誰かがあなたの側にいるかもしれないね……。



















「誰か来るね」


ふいにヴァイオリンの音が止み、彼が植え込みの向こうの闇に視線を飛ばした。


瞼を閉じて聞き入っていた蘭も、気配を窺うように神経を研ぎ澄ました。


たしかに誰かがこちらに近付いて来ているようだった。