久遠の絆

「俺は……一時の慰めに女を抱こうとは思わないさ」


「どうも、そういうところはカイルさまと似ておいでのようですね」


「うるさい」


言い放って、シドは向こうを向いてしまった。


カイルの名が出たことに気分を害したわけではなく、照れ隠しのようだった。


「それより、ナイルターシャの様子はどうだ?」


向こうを向いたままの格好でシドが尋ねた。


居住いを正して、ヘラルドは答える。


「日に日に弱っておられるようです、お年もお年ですし。やはり環境の変化にお疲れに
なったのでしょうか」


「明日、お会いしよう」


「お会いになりますか?」


シドはヘラルドへと視線を戻した。


「あの娘が『瑠璃の巫女』であるためには、『伝説の巫女姫』の存在は必要不可欠だ。そう言ったのはお前だろう、ヘラルド」


「御意」


「手はずを整えてくれ」


「かしこまりました」




「もしかすると思ったよりも早く、あの娘をナイルターシャに会わせることになるかもしれないな」




独り言のように呟かれた言葉にヘラルドは敬礼で答え、シドの自室を後にした。