久遠の絆

蘭の細い首に手が掛けられ、徐々に力が込められていった。


「んっ……」


苦しげに呻く娘を、男は喜悦の色を浮かべ見下ろしている。


閉じられた蘭の瞼から涙が溢れ出た。


(だれか……たすけて……)


「誰も来ないさ。さあ、小さな可愛いラン。
あの頃のように、父さんが大好きだって言っておくれ」


もう少しで息が絶えるというところで、ふっと首に掛けられた手の力が弱められた。


「ラン……父さんは、お前がいないとダメなんだ。ずっと父さんの側に」


蘭は苦しさに伸ばした手が触れたものを咄嗟に掴み、それを男の頭にぶつけた。


ガッと鈍い音がして、男は頭を押さえて蘭の体の上から、ゆっくりと倒れるように落ち
ていった。


けほけほと咳き込みながら、くらくらする頭を叱咤して逃げようと長椅子の上に体を起こすと、ぐいっと二の腕を引っ張られた。


「ぎゃっ」


長椅子の向こう側に落ちると、男が頭を押さえながらも彼女を再び組み敷こうと身を寄せてくる。


「いや!」


叫んで身を引くとサイドテーブルにぶつかり、その上の物が床に落ちて大きな音を立てた。


「ラン、どうして逃げるんだ!!」


気が狂っているとしか思えない。


この男は、自分の父親であるこの男は、もう人ではない。


「どうしてこんな風になっちゃったの?!」


胸の中にためていた思いが、蘭の口をついて溢れ出た。


そのよう声など聞こえないのか、男は馬乗りになり、彼女の服を引き裂いた。


「いや~~~っ!!」