久遠の絆

『私に用とは?』


カイルの視線は真っ直ぐに己の近習に注がれている。


その目は、今まで何をしていたのかと問うていた。


「は、はい。僕、あの後ジャングルに不時着致しまして、それで、そこで彼らにあった
んですけど、彼らの村が同盟軍の襲撃を受けていて」


『待て』


一気にまくし立てるニアスをさえぎり、カイルは表情を険しくした。


『同盟軍の襲撃だと?』


「あ、はいそうです」


『中将』


言ってカイルが後ろを振り返ると、熊の声だけが聞こえた。


『そんな報告はまったくないぞ』


途端スクリーンの向こうで思案顔になるカイル。


そんなカイルにニアスは言った。


「でも、僕は実際見ました。襲撃を受けた村の、無残な姿を」


帝国軍のレーダーにすら移らないように行われた攻撃。


『なぜ、同盟軍はそこを攻撃しなければならなかったんだ?』


呟くように言ったカイルに、さらにニアスは、


「占い師のおばあさんと、女の子が連れ去られたそうなんです」

と告げた。


『……』


その時初めて、カイルの視線がニアスの脇に控えるマトに注がれた。


『連れ去られた?占い師と女の子が?』


鋭さを増す口調に、マトが全身を緊張させるのが伝わってきた。


『発言を許そう。答えよ』


元帥の言葉にマトは深呼吸をし、もっとも伝えたかった人へ声を発した。