久遠の絆

「兄さん、なんでこの子の言うとおりにするの?」


マヤが小声で話しているのが聞こえてきた。


やけにマヤの言動が気になっている自分を、ニアスはもやもやとした気持ちで見つめていた。




しばらくして通信が繋がった。


「映像が出ます」というオペレーターの声と共にスクリーンに映し出されたのは。


「熊……」


だった。


「いや、マヤ。あれは人だ」


そんな熊は大きな口を開けて笑いながら、


「いやあ、まいったまいった。あんだけ心配したのに、いるじゃん!ニアス」


と頭を掻いている。


「も、申し訳ありません」


ニアスは恥ずかしさで顔を赤らめながら、消え入りそうな声で謝った。


「まあ、詳しいことはあとでじっくり聞くが、な。以降、勝手な行動は慎むように」


「は、はい。もちろんです」


うんうんと満足そうに頷いた熊は、もうその話は終わりとばかりにハウレン少将に視線
を向けた。


「んで、なんか用か?」


少将は内心頭を抱えているに違いないが、そんなことはおくびにも出さず、

「閣下はそちらにおいでですか?」

と淡々言った。


「かっか?ああ、元帥閣下ね」


普段呼ぶことのない敬称に、すぐには当人と結びつかなかったらしい。


「ああ、いるいる。ちょっと待てよ」


画面にカイルが現れると、かすかな吐息が漏れた。


誰だと見回してみると、マヤがうっとりとした顔で画面を見ている。


(そりゃ、カイルさまは綺麗だもん)


彼女のことになると妙に突っかかってしまう自分を、ニアスは不思議に思うのだった。